|「アンコンシャス・バイアス」マネジメント(かんき出版)
「アンコンシャス・バイアス」=無意識の思い込み、無意識のとらわれ、無意識の偏ったものの見方、無意識の偏見など、日本語では様々な言葉で表現されています。
日本では2013年ごろから、ビジネス雑誌や新聞・テレビでも取り上げられるようになってきた。グーグルが、「アンコンシャス・バイアス」と名づけた社員教育活動を始めたことで一躍、有名になった言葉でもある。なぜ、今、注目されているのか?最大の理由は、組織の発展において、多様性が重要になってきているからです。
リーダーがメンバーの社歴や性別などで能力を決めつけてしまうことで、同じようなレベルの仕事しか任せることができず、メンバーの成長機会が失われていく。結果として、組織としての成長がストップし、業績が上がらない。
リーダーの思い込みによる評価で、メンバーのモチベーションが下がっていく。適正な評価が行われないことで、前向きになれず、やりがいを失い、新たな仕事に挑戦しようと思わなくなってしまう。
リーダーの自己防衛心で、メンバーとの信頼関係が失われ、チーム内の心理的安全性が保たれない。互いに言いたいことが言えず、チームとしての一体感が失われ、組織が一丸となって取り組むことができなくなってしまう。
本書は、リーダーが身につけておきたい“必須知識”となった「アンコンシャス・バイアス」について、まずはどういうものかを知る、そして自分自身のバイアスに気づく方法、さらにはどのように対処していくか、メンバーみんなでバイアスに振り回されないチームになる方法を、事例をふんだんに交えながら解説する。まずは経営者や管理職をはじめとするリーダーから、自分自身の無意識の思い込みや、無意識の偏ったものの見方に気づき、意識して対処する。たったそれだけで、組織の未来は劇的に変わる。
|目次
Chapter0◎職場にあふれている「アンコンシャス・バイアス」の正体
◇アンコンシャス・バイアスって何?
◇なぜ、人は「無意識の思い込み」をしてしまうのか? 20
◇どんな弊害を引き起こすのか? 22
Chapter1◎自分の「無意識のバイアス」に気づく
◇リーダーのバイアスが周囲にどんな影響を及ぼしているかに気づく
◇自己認知力を高める①
相手の非言語メッセージを意識する~相手から自分を知る
◇自己認知力を高める②
アンコンシャス・バイアスを記録してみる~思考のクセを発見する
◇自己認知力を高める③
相手を意のままに操ろうとしない~自己防衛に走らない
◇自己認知力を高める④
感情を言葉にする~気持ちを落ち着かせる
◇自己認知力を高める⑤
目的に立ち戻る~長期的な課題に対処する
Chapter2◎バイアスがあらわれやすい言動をやめる
◇アンコンシャス・バイアスは「2つの言動」にあらわれる
~「決めつけ」と「押しつけ」
◇決めつけの言動①
普通そうだろう ▽ 価値観の決めつけ
◇決めつけの言動②
そんなことできっこない ▽ 能力の決めつけ
◇押しつけの言動①
つべこべ言うな ▽ 解釈の押しつけ
◇押しつけの言動②
これくらいできて当然 ▽ 理想の押しつけ
Chapter3◎意識の置きどころを変える
◇対処の基本は「意識化」すること
◇意識化① 言われた相手の「心のあと味」に目を向ける
◇意識化②「なぜ?」ではなく「何が大切?」と未来に向けた質問をする
◇意識化③「今・現実」を意識する
◇意識化④ バイアスを意識的に上書きする
◇意識化⑤「プラス面」に意識を向ける
◇意識化⑥「セルフイメージ」を上書きする
◇意識化⑦「あともうひとつの情報は?」「別の情報は?」を意識する
◇意識化⑧ 新たな経験で上書きする
Chapter4◎互いのバイアスに振り回わされないチームになる
◇自分のなかにある「思い込み」を伝え合う
◇チームの「共通言語」にする
◇リーダー自ら自己開示して心理的安全性を担保する
◇相手を変えようとするのではなく、自らがわる
◇フィードバック・ループをチームで回す
◇言葉の解釈を互いに確認し合う
◇余裕をつくる
◇メンバーが大切にしていることをリーダーも大切にする
巻末付録◎リーダーが意識しておきたい代表的な15のアンコンシャス・バイアス
◇職場の人間関係や仕事に影響する代表的なシャス・バイアス
◇キャリアや成長に影響する代表的なアンコンシャス・バイアス